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小笠原遠征2019-3

またも出発寸前まで、行くべきかやめておくべきかを悩んだ遠征の始まり。
続々と発生する台風に長期予報は開くたびにその姿を変え、判断力が鈍くなる。

今回の遠征は、この日をとても楽しみにしていたゲストが居る、数年前に10年以上勤めた会社を辞め、私の会社に入り下積みをし、晴れて今年独立、自らの会社を始めた友人。(S氏)
彼は自分の時間を思い通りに選択出来る環境を、長い時間を掛けて手に入れた。
S氏とは古い付き合いで、以前より玄界灘や東シナ海にも共に出掛けていた仲だ、今回の遠征、実は自分も楽しみにしていた。

だけど、そんな想いなど全く届かない自然のリズム。
希望を持ったり諦めたりを、何度も何度も繰り返し、気象予報を眺めていた。

たった1日でも釣りが出来れば良い、1人なら諦めていたと思う海況に、意を決しての掛けだった。
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そのまま東京へ飛び、いつも通りおがさわら丸に乗り込んだ。

相変わらず退屈な船旅、意外に揺れが少ないおがさわら丸。先月見た風景をそのまま眺めているだけの時間を過ごし、ダラダラと母島までたどり着いた。

1日振りに通信圏内に戻る事ができ、真っ先に開いた気象予報、予報は良い方に変わっていて1人で胸を撫で下ろした。

1日目。
いつもお世話になっている寛恵丸はホースヘッドを南に向けて進む。
S氏、初めての小笠原の磯の為、上がってすぐにルアーを薦める。
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3投目でミノーにチギ、それ以降は反応が無くなったらしい。
デッドベイトの面白さを体験して貰おうと、こちらは撒き餌をらしきポイントへ投げ入れて、様子を見ながら釣れたのは小型のチギ、小笠原はチギが多い。
宿の夕飯でチギのフライを頂いたけど、とても美味い。
数が少なければ高級な魚と呼ばれるのかも知れない。

ここの磯は潮が速くて釣り辛い、S氏はルアーを投げ続ける、この島ではその作業をずっと続ける事が出来れば大きな魚とコンタクトを取る可能性は高いと思う、それも充分有効だけど、
ライブベイトはもっと有効かも知れない、当たりの多い釣りは面白い。
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だけど食ってくるのはいずれもお馴染み名脇役たち、強い魚には遊んでもらえなかったが、初めての小笠原での磯、それなりには堪能出来たよう。
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2日目。
天気が悪く雨も降っているが、初日よりもウネリは無くなっていた、迷わず西のハナレへ飛び乗る。
厚い雲が掛かっているのが少し気掛かり、それでも朝イチ、ルアーへの反応はあるみたいで、S氏の期待も高かったけどフッキングには至らなかったよう。
こちらはデッドベイトで海の様子を見ていたが、速い流れになかなか上手く仕掛けを送れず苦戦していた。

どうにも状況を打破出来ないので、早々にライブベイトに切り替える。
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出せばすぐに当たるけど、盗み取られたりスッポ抜けたり、期待ばかりで空回り、やっと食い込んだ強い魚も上げてしまえばアカマスだった。
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食ってくれるのはやはりお決まりの魚ばかり、午前中は退屈にならない程度に遊んでくれた。
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昼を過ぎたら潮が緩み、何も食わなくなってしまった。
S氏のライブベイトにずっと泳がせて弱ったところで何かが食った、強烈に引っ張る魚に全力で耐える、真下に突っ込んだロッドの穂先にヒヤヒヤしながら声援を送る。
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浮かせては潜られの繰り返しの後、上がったのはサメだった。
途中で切れてくれさえすれば、もしかしたら良い思い出にでもなったのかも知れない。

良い魚は当たらない、それでも可能性を信じ、ルアーを投げ続けてみると、サワラやシイラが食ってくる、両方とも針がハズレて磯にあげる事は出来なかった。
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辛い遠征だった。

良い魚と繋がる事さえ出来ない釣りは疲労感が倍増する。
想いが強ければ強いほど、空振りすると悔しくてやり切れない小笠原。
だけど考えた所で、答えは結局見つからない、悔しがってもどうにも出来ないのだ。
疲弊した気持ちも日常に戻れば徐々に回復出来るのだけど、ここは日常までがとてつも無く遠い、釣りを終えた翌日に島を出る、その翌日に東京に到着し、そのまま飛行機に乗って帰る。
日常に戻るまで、ずっとこの不完全燃焼と付き合う事になる。

帰りのははじま丸は大きく揺れた、西のハナレも丸々飲み込まれていた、タイミングは良かったのだ。

恐らくこの2日間しか磯には上がれなかっただろう、そう思うと小笠原の磯に立つ事を許され、その中で出来る事を全てやった、やり切った末に結果に結びつかなかったと思えたら少しは気持ちも楽になる。

S氏、また来たいと言ってくれた事で今回の遠征は良しとしたい。

行きでは満ちていた月も、帰りのおがさわら丸から空を見上げると半分近くが欠けていた、

自分は来月、今年最後の小笠原に挑む、次の遠征に備えて、気持ちと道具の準備が始まる。

by teamkingfish_n40 | 2019-11-16 17:00

磯に立って大型の回遊魚を狙う


by kngsry
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